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黄金コンビ、最後の日本ツアー
サー・ネヴィル・マリナー&アカデミー室内管弦楽団
~ここが聴きどころ!~

サー・ネヴィル・マリナー指揮アカデミー室内管弦楽団の最後の日本ツアーまで、残すところ約1か月。
半世紀以上も、共にアンサンブルの美しさを追求してきたマリナーさんとオーケストラ。この名コンビを聴く今回の貴重なコンサートの魅力とは?

アカデミー室内管弦楽団(ASMIF)設立当初の頃の写真。前列左端でヴァイオリン・ケースを持つイケメンがマリナーさん。ステキ!!

アカデミー室内管弦楽団(ASMIF)1958年設立当初の頃の写真。
前列左端でヴァイオリン・ケースを持つイケメンがマリナーさん。


――― 音楽評論家の柴田克彦さんが、<ここが聴きどころ!>を語ります。

それは衝撃だった。1970年初頭に登場したマリナー&アカデミー室内管によるヴィヴァルディ「四季」のレコードは、斬新な解釈とスマートな演奏で、同曲のイメージを一新した。その後当コンビは、モーツァルトをはじめとする膨大な録音で名を広め、1984年の映画「アマデウス」の演奏も担当。特に冒頭の交響曲第25番で絶大なインパクトを与えた。同時に1972年以降たびたび来日。編成も拡大し、ロマン派の交響曲も聴かせた。一方でマリナーは、フル・オーケストラの指揮者として活躍。アカデミー室内管は近年、首席客演指揮者ペライアと来日し、依然ノーブルな持ち味を示している。

これらすべての総決算が、コンビとしては久々となる今回の来日公演である。マリナーは今年92歳。1958年に自ら創設し、現在に至るまで関わりをもつ楽団との最後の日本ツアーが、歴史的な公演であるのは言うまでもない。

当コンビの特徴は、明快で洗練された流麗かつ爽快な音楽。その豊潤で心地よい演奏は、ピリオド・アプローチが室内オケの主流を成す今、むしろ新鮮に響くであろう。そして、近年たびたびN響に客演し、温かみや味わいを増した至芸を披露している現役屈指の長老マリナーが、60年近く手塩にかけた楽団といかなる音楽を聴かせてくれるのか? 興味は尽きない。

プログラムも周到だ。プロコフィエフの「古典交響曲」は、ハイドンを20世紀に蘇らせた室内オケの定番曲。軽妙で歯切れ良い音楽は、当コンビにまさしく相応しい。ヴォーン=ウィリアムズの「タリスの主題による幻想曲」は、弦楽四重奏と2群の弦楽オーケストラによる神秘的な佳品。ここでは本場イギリスの音楽家のみ表出可能な美感が耳を慰める。そしておなじみベートーヴェンの交響曲第7番は、CDや来日公演で快演を残してきた作品。彼らの精緻さと爽快さがフルに生きるこの名曲で、最後の炎が燃やされる。

もう聴くことはないのだ。稀代の名コンビの音と音楽をしかと耳に焼き付けたい。

柴田克彦(音楽評論家)


柴田さんが「明快で洗練された流麗かつ爽快な音楽。その豊潤で心地よい演奏」と評価するマリナー&アカデミー室内管の音色。あのフェスティバルホールでどう響くのか、楽しみですね。

4月7日「マリナー指揮 アカデミー室内管弦楽団」の公演情報はこちらへ。

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